「abrAsus(アブラサス)の財布が欲しいけれど、薄い財布と小さい財布ってどっちを選んだら良いの?」と迷っている人は私だけではないはず。両財布のデザイナーである南和繁さんに、両財布の開発理由や、両財布を選ぶポイントをうかがいました。

南さんいわく「ライフスタイルで選ぶ財布」だそうです。tvss
ん? お財布って見た目で選ぶものじゃないんですか…!?


・作ったのは「僕が欲しい財布」
・「薄い財布」がありながらも「小さい財布」を開発したワケ
・「薄い財布」も「小さい財布」も薄くて小さい
・「より薄い」か「より小さい」か
・ライフスタイルに合わせて選ぶ財布
・プレゼントによりおすすめなのは「◯◯い財布」

■作ったのは「僕が欲しい財布」
野村:「薄い財布」も「小さい財布」も、「究極の◯◯さ」を目指したユニークな商品ですね。どうしてこんなにユニークな商品を開発されたんですか?

南:実は、奇をてらうつもりは全くなく、どちらも僕が欲しかった財布をつくっただけなんです。長財布も二つ折り財布もいろいろ試したけど、どれも一長一短あって。満足できないから、本当に欲しい財布を作ってしまおうと。いわば「僕のオーダーメイド財布」ですね。

野村:え〜っ。デザイナーさんのオーダーメイド商品を売っているブランドなんて、聞いたことがないです(笑)

南:僕は昔からできる限り手ぶらで生活したいと思っていて、必要最低限の荷物となってしまう財布も本当は持ち歩きたくない。でも、持ち歩かないわけにはいかないなら、ポケットに入れてしまえたらと思って。

野村:ポケットに入る財布は、他社商品にもありそうですが…。

南:入るだけじゃダメなんです。快適でないと!

野村:(驚)! 快適…ですか。

南:20歳頃からずっと快適な財布を探し求めて、二つ折り財布、三つ折り財布、長財布などいろんな財布を試してきました。でも、どの財布もジーンズやスーツのポケットがぽっこりしたり、ポケットからはみ出したり、「探していたのはこの財布だ! 超快適っ!」とは思えなくて…。理想の財布には出会えなかったんですが、いろいろと試したおかげで「ポケットに入る財布は薄くあるべきだ」という持論を持つことができました。

野村:「薄い財布は快適」ということは仮説ではなく、本当に南さんが探求された結果なんですね。

南:会社を作った時に「もしも一般的な財布を知らなくて、ゼロベースで薄い財布をつくるなら、どんな財布をつくる?」と思ったんですよ。いや、財布をというより、必要な物を入れるための「入れ物」とだけ考えました。だって、何も知らない宇宙人が地球にやってきて、お金を入れるための入れ物を作ろうとしたら、一般的な財布とおんなじものを作ると思います?

野村:おんなじにはならないですよね、きっと。

南:そうなんですよ。だからってabrAsusの財布を作るかと言われたら、僕の快適なものが宇宙人にも快適かはわからないんですが(笑)

野村:(笑)

南:まずは「無意識で快適に使える財布」をテーマに、僕の理想の「ポケットに入る薄い財布」を開発しようと決めたんです。せっかく作るなら、みんなの要望を満たそうとする「売るための財布」ではなくて、僕が100%満足できる「僕が欲しい財布」をつくろうと(笑)

野村:あら。企業のものとは思えない大胆告白(笑)

南:だって、他の人の要望を聞いたら「カードは5枚じゃ足りない」とか「小銭はもっと入れたい」とか言われたと思うんです。そういう要望を出す人には使いやすい財布になるのかもしれないけど、僕はそんな財布は欲しくない。売れる財布にはなるかもしれないけど、街にありふれている財布なんて他社さんにお任せしておけば良いと思ってるんです。僕が作る財布ではないと。

野村:確かに、大勢の要望を聞いていたらabrAsusの財布は生まれないですね。

南:ポケットに入る薄い財布というだけではなく、お札を折り曲げずに入れられることと、小銭・カードが一つにまとまることも譲れませんでした。最終的には家の鍵も一緒に入れたくて、札入れの後ろにちょっとしたポケットを作りました。

野村:どうしても分厚くなってしまいそう。すっごく欲張りな要望に聞こえます。

南:それでも、理想の薄い財布が欲しかったので、一切の妥協をせずに頑張りました。デザインもものづくりもしたことがなかった僕が、財布を作って、実際に街で試して、改良してを繰り返して…。30個くらいの試作品を作りましたよ。

野村:30個!? すごいですね。

南:1個1個、ながいものでは1ヶ月くらいもじっくりと試してから改良をしていましたから、時間がかかりましたが、試作品の段階で十分に使用テストができました。

野村:発売後にも改良はされたんですか?

南:発売後は一度も改良していないです。だって、僕の理想の財布が完成したので(笑)

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■「薄い財布」がありながらも「小さい財布」を開発したワケ
野村:そんな「理想の財布」を完成された南さんが、どうして「小さい財布」を開発されたんですか?small

南:僕はずっとパンツの後ろポケットに財布を入れていたんですが、「前ポケットに財布を入れた方が快適なんじゃないか?」と思ったことが一時期あって。前ポケットに「薄い財布」を入れてみたんです。でも、前ポケットでは折れ曲がってしまい、あまり快適じゃなかったんですよね。

野村:確かに、「薄い財布」を前ポケットに入れると、座った時に曲がりますね。

南:まずは、他社の小さい財布を何種類も試したんです。コンパクトで良いなと思う財布があっても、お札を折り曲げてから収納する必要があって手間だったり、厚みがありすぎてポケットの中でモコっとしたりで、快適とは思えなくて…。だから今度は、「前ポケットへ快適に入れるための小さい財布」を作ることにしました。

野村:「前ポケットに入れたほうが快適なんじゃ?」って考えられるとは、本当に飽くなき探究ですね。

南:仮説だけで作り始めたわけではなく、友人たちに聞いてみたんですよ。「財布、後ろポケットに入れてる?」って。そうしたら、前ポケットとかジャケットの内ポケットとかいろんな声があって「財布を入れるのは、パンツの後ろポケットだけじゃないよな」とわかったんです。

野村:お財布を収納する場所にも個性があるんですね。

南:財布売り場に行くと、薄い財布よりも小さい財布がたくさんあるんですよね。それだけ人気があるってことは、きっと便利なんだろうと思ったんです。だから、今度は「僕が欲しい小さい財布を作ろう」と思いました。

野村:「小さい財布」のこだわりは?

南:世界一小さい財布を目指しながらも、折らずにお札を入れられて、小銭もカードも入るってことです。ほぼカードサイズの小ささに仕上げることができました(笑)

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■「薄い財布」も「小さい財布」も薄くて小さい
野村:「薄い財布」と「小さい財布」には共通するポイントがたくさんあるって本当ですか?

南:はい。まずは、どちらも「財布を回転させずに使える折り財布」です。

野村:財布を回転させる…?

南:皆さん無意識にされているようなんですが、お札を出してクルッ、小銭を出してクルッ、カードを出すのにまたクルッって財布を回して使われているんです。コンビニの行列とかで見ていると面白いですよ。最初気づいた日には「なんでまわしてるんだろう?」と不思議でなりませんでした(笑)

野村:えっと…こんな感じ…(クルッ)。ほんとだ。私、まわしてます! しかも、いちいち小銭入れを閉じてからでないとまわせませんね。あけたままだと小銭がジャラジャラって落ちちゃう(笑)

thin南:まわさないだけでなく、「一目で中身が見渡せる」ことにもこだわりました。「薄い財布」も「小さい財布」も縦長で開けば、お札も小銭もカードも見渡せるでしょう?

野村:はい。お札がどーんと目に入るから、幾ら持っているのかを一目で確認できますね。

南:先ほどからお話しているとおり、「お札・小銭・カードが1つにまとまる」ことも同じです。カードの収納数が5枚ということや、カードを指で押し上げるための切り込みも同じですね。

野村:他にも共通しているポイントはありますか?

南:どちらの財布も「薄くて小さい」ということですね。「薄い」「小さい」と分類して販売していますが、実は、両方とも一般的な財布よりも薄くて小さいんです。

野村:言われてみれば…。2つを比較してしまうと「薄い財布」は大きい財布に見えてしまいますが、一般的な財布よりは明らかに小さいですね。

南:また、「薄かろうが小さかろうが、使い勝手が悪ければ全然良くない」と思って開発したのは、どちらも同じです。一切の妥協をせず、僕にとって使い勝手の良い財布に仕上げました。両財布とも、大満足の完成形にできています。

野村:なるほど。どちらも「南さんが欲しい財布」の完成形という共通点がありました(笑)

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■「より薄い」か「より小さい」かtvss
野村:「薄い財布」と「小さい財布」が存在するわけですから、共通点ばかりでなく、相違点も当然ありますよね?

南:こだわりポイントが「より薄い」か「より小さい」かという違いですね。より薄いのが「薄い財布」、ちょっぴり厚みはあってもより小さいのが「小さい財布」です。

野村:どんなサイズって言えばわかりやすいですかね?

南:「薄い財布」は、男性のデニムやスーツのパンツの後ろポケットにぴったりのサイズです。「小さい財布」は、財布の中でサイズを変更できず最も大きい「クレジットカードサイズ」を目標に小さくし、ほぼカードサイズの財布に仕上げました。前ポケットでも鞄でも、ポケットのサイズを気にせずに使用できます。

野村:厚みはいかがですか?

南:「薄い財布」は、カードケース部分と小銭入れが重ならない構造で薄くしています。「小さい財布」は、カードケース部分と小銭入れ部分が重なるため「薄い財布」よりは厚みがありますが、一般的な財布よりは格段に薄く仕上げています。

野村:どちらも「薄くて小さい」んですよね。迷ってしまいます。どうやって選んだら良いのか…。

南:僕は、「使う人のライフスタイルに合わせて選んで貰えたら」と思っているんです。例えば、どのポケットに財布を入れるかってポイント。僕は後ろポケットに入れるときは「薄い財布」が断然良いけど、前ポケットのときは「小さい財布」が良い。使う人やライフスタイルによって、どちらがより便利かって変わると思うんですよ。

野村:「使いわける財布」なんですか?

南:使いわけなくて良いです。よく「サブ財布のつもりで買ったけれど、メイン財布になっちゃいました」って言われるんですが、どちらも本当にメイン財布になります。1個あれば十分です。僕はせっかく作った財布を両方使いたいから、入れるポケットによって使いわけているだけです。

野村:私は、両財布の最大の違いは小銭入れ部分にあると思いますが、いかがですか?

南:僕は、小銭入れの違いはあまり意識していません。「小さい財布」の小銭入れの方が収容数が多いのは確かなんですが、こまめに支払えば小銭は平均7、8枚しか持たないで済む計算なんです。実際、「薄い財布」開発中に何度も試しましたが、「薄い財布」の15枚収容の小銭入れで十分だとわかりました。とはいえ、無意識に小銭を入れたい方には20枚以上を余裕で収容できる「小さい財布」の方がより使いやすいと思います。

野村:他にも何か違いはありますか?

南:「薄い財布」のカードケース部分は 「小さい財布」のカードケース部分よりも少しだけ幅を広めに作っており、名刺も入れられるサイズにしています。名刺入れを持っていない食事中などに限って、絶対に名刺交換をしたい重要な人を紹介されるんですよね。だから、2、3枚の予備名刺を入れられるようにしました。

野村:「小さい財布」は、名刺が入るようにされなかったのですか?

南:「小さい財布」は小ささを追求したかったので、名刺が入る幅に広げることはやめました。

野村:私は名刺を入れないので、「小さい財布」はほぼカードサイズのコンパクトさが嬉しいです。

南:また、「薄い財布」には札入れ部分へ鍵やお守りを入れられるちょっとしたポケットを設け、「小さい財布」には鍵やストラップを付けられるハトメをつけました。鍵を財布とセットにして持ち歩きたいという要望は満たしながらも、自由度のある使い方にしています。

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■ライフスタイルに合わせて選ぶ財布back
野村:先ほどうかがいましたが、「薄い財布」と「小さい財布」は、財布を入れるポケットを意識して開発された商品なんですね。

南:はい。僕にとって「薄い財布」は後ろポケット用、「小さい財布」は前ポケット用です。でも、自由に使って頂けたらと思います。

野村:南さんの印象に残っている、お客様の声はありますか?

南:ポシェットや冠婚葬祭などの小さなバッグ、白衣やエプロンのポケットなどいろいろと入れられていると聞いたことですね。予想通りだったんですが、実際に聞いて「やっぱり薄い財布や小さい財布は便利なんだ」と思いました。どの方にも、身軽に外出できるライフスタイルを喜んでいただいています。

野村:ただ財布が変わるだけではなく、ライフスタイルが変わるんですね。

南:僕たちは商品自体ではなく、商品を使うことによる快適さとライフスタイルを提案しているので、使ってくださる方のライフスタイルに合うと嬉しいですね。メイン財布としてもサブ財布としてもライフスタイルに合わせてご利用いただけたらと思います。

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■プレゼントによりおすすめなのは「◯◯い財布」
野村:abrAsusの財布をプレゼントにと考えた場合、どちらがよりおすすめですか?

南:う〜ん。悩みますね…。僕たちの財布はWebサイトをきちんと読んでもらえば、快適さをより理解いただけると思います。だから、「Webを見てよ。すごいんだよ、この財布」と言ってプレゼントをお渡しいただけるなら両方の財布を同じくらいおすすめするんですが…。

野村:説明なしの場合は…?

南:説明なしにおすすめしやすいのは「小さい財布 abrAsus」だと思うんですね。Webをご覧いただきづらい場合や、女性へのプレゼントには「小さい財布 abrAsus」がおすすめです。こだわり派の男性には、「薄い財布 abrAsus」を「Webを見てね」というコメント付きでプレゼントされると喜んで頂けるかなと思います。

野村:Webサイトを拝見して「この構造にはこんな理由があるんだ」などと理解してからabrAsusの財布を手にするとワクワクします。プレゼントされた方にも、ぜひWebサイトをご覧いただきたいですね。本日はありがとうございました。

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